「読書とは知的好奇心のほとんど無制限な満足」、「本をたくさん読むのは日本語をたくさん読むことであり、日本語の表現の多様性、その美しさと魅力をたくさん知ること」(加藤周一著「読書術」)と思うこのごろ。あと10年生きたら、2日1冊ペースで1800冊読める。命のローソクのイメージと読書生活が重なる。いや、そんな老後なら嬉しい。時間無駄遣いの読書せず、美しい言葉に出会いたいものだ。やっと自分で自分の生活を設計できるようになり、最終的な人生の組み立てが必要になってきた。先人は、この好奇心を無制限に満足できる季節をどう生きたのか…知りたい。
布団に腹ばいか、椅子に横たわって本を読む。「うたたね」と同じ至福の体勢、中学から変わらない。曲がった背骨は子ども時代の新聞配達とこの姿勢のせいだろう。勉強も布団の中だった。机に向かった記憶は薄い。一昨年、2ヶ月間の胃がん手術で入院。一日中寝床生活だから、日がな本を読んだ。術後20㌔痩せ骨が神経に触りどんな姿勢でも身体が痛かった。癌は読書を痛くした。
就寝前、起床後、休日に読む。あつらえた読書専用メガネが、どんなふしだらな姿勢でも活字をきっちりとらえてくれる。本の入手は月2回の図書館、通販、自宅本棚だ。
このブログの読書感想は、立男の大事な生活記録。このブログ見ているあなたに「どちらさんでした?」と真顔で尋ねる頃にきっと役立つ…と割合真面目に思う。★評価は「ああ、こんな本読んでたんだ」と、劣化した脳にかろうじて残っている記憶、それを思い出すきっかけになればと。
……………読書感想…………………………………………………………………………………………………
「老いの生き方」(鶴見俊輔編:ちくま文庫¥560)は予想通り★★★★★だ。老いて限られた時間をいかにより良く過ごすか探る18編のエッセー集。全て名文だが、「幸せな男」(高森和子著)が特に印象。著者は「おしん」にも出ていた元俳優さん。うなった。「銀の匙」以外の中勘助著作、森鴎外の息子さん、勝海舟の妻の一分…何より編者に興味大だ。
「食堂かたつむり」(小川糸著:ポプラ社)3年前、新聞書評で記憶に。W市の地元古本屋で一昨日¥315。若い女性の自立をこんな形で…心が温もる。料理を、味を活字にする凄さ★★★☆☆中学生にも読んで欲しい。
「森崎書店の日々」(八木沢里志著:小学館文庫)これも若い女性の自立を描き…心温もる。さりげない日々の中の幸せ★★★☆☆
「松田正平 風の吹くまま -画文集」(91歳、松田正平画・著:求龍堂)山口県の画家、香月泰男と同郷。その筋で見つけた画家。通販で入手。肩の凝らない凄い絵に惹かれて★★★★★ 図書館で借りた片岡鶴太郎の画集(「赤蜻蛉」)に松田正平を師と仰ぐ対談。同時に借りた熊谷守一のクロッキー集「鳥獣虫魚」。この3人の画集、見比べて感慨深いものあり。